第2章:離散情報源

P.20-

統計的性質

長さnのシンボル系列 X1,X2,...,Xn-1
 Xi : 確率変数
これを
 p(x0,x1,...,xn-1)のようにあらわす。
 結合確率分布から確率分布を求める

講義では定常情報源を扱う

無記憶定常情報源

どの時点から始めても統計的性質が変わらない。
 p(X_{i}=x_{0},X_{i+1}=x_{1}, ... ,X_{i+n-1}=x_{n-1})
 =p(X_{0}=x_{0} , X_{1}=x_{1} , ... , X_{n-1}=x_{n-1})
 =p(x_{0} , x_{1} , ... , x_{n-1})

 定常性 :p(a)=p(X_{i}=a)=p(X_{j}=a)
 無記憶性:p(x_{0},x_{1}, ... ,x_{n-1}) = \prod_{i=0}^{n-1} (p(x_{i}))

エルゴード性

 十分に長い出力系列の中に統計的性質が現れる。
 図2.2参照

マルコフ情報源

m重マルコフ情報源

 各時点の出力シンボルの生起確率が直前のm個の出力に依存する。

単純マルコフ情報源

 m=1のマルコフ情報源

状態遷移図によるマルコフ情報源

 マルコフ情報源は状態遷移図によって表される。
 M重マルコフ情報源を状態をマージして単純化されたものを一般化されたマルコフ情報源という。
 見分け方:
  ・出力とそれによる状態がすべて一致していれば(図2.5(a))単純マルコフ情報源
  ・一致していなければ(図2.5(b))単純マルコフ情報源でない

マルコフ過程の状態の分類

正規マルコフ情報源

 遷移確率行列Pのとき、すべてのP^\inftyの要素が非0になる。
 以下のような特性を持つ

  • P^nnが大きくなるとともに1つの行列P^\inftyに収束する。
  • P^\inftyの各行は同一の状態遷移ベクトルW^\inftyとなる。
  • 定常状態分布は1つのみ存在し、W^\inftyである。
エルゴード性のないマルコフ情報源

 図2.7のような、過渡的状態を持つマルコフ情報源
 解析するときは、過渡的なところは考えなかったりする。

状態の集合

過渡的状態集合

 他の状態に遷移すると戻ることのできない状態の集合

非周期状態集合

 ある時間を経過した後、任意の時点でどの状態にも存在できる集合

周期状態集合

 非周期状態集合とならない集合

講義では正規マルコフ情報源のみ扱う。


隠れマルコフ情報源

音声認識とか画像認識とかやるときに使うことがあります。